これまでの活動履歴

引渡し訓練時の保護者向けミニ集会

上越市立飯小学校

上越市立飯小学校で行われた引渡し訓練時の保護者向けミニ集会の様子をご紹介します。

飯小学校では、昨年度よりふるさと新潟防災教育推進事業学校実践の補助金を申請し、地域と連携した防災教育・防災体制の整備を行っており、その支援として昨年度と今年度2か年にわたって、中越防災安全推進機構では、資料提供や講座の実施を行ってきました。

学校と地域の役員・市の避難所開設担当職員・隣接した保育園の職員とが集まって災害対応の研修会を行うなど取り組みを進めてきた結果、災害直後は児童の安全確保等で教職員は手一杯となる状況が見えてきました。

災害時の対応について、一部の人だけが考えるのではなく、今回は広く保護者に対して災害時の学校の状況を共有する機会を設けました。

ミニ集会を組立てるにあたっての準備

ミニ集会を組立てるにあたり、校長先生・教頭先生との打合せでは、以下のようなねらいをたてました。

〇地域の災害特性を共有し、災害発生直後の学校・地域の状況を理解してもらう➡各家庭の備えに繋げてもらう。

〇災害発生時に学校がやること、保護者にお願いしたいことを明確にアナウンスする➡災害時の混乱を少なくする。

これまで飯小学校では、このような集会は実施したことがありませんでした。多くの保護者が参加する引き渡し訓練の前に15分ほどの短時間で上記のねらいを達成するべく、以下のようなプログラムを組み立てました。

①災害発生直後の学校の状況と学校・家庭の連携について講話(10分弱):中越防災安全推進機構

②災害発生時に学校がやること・保護者にお願いしたいことについて説明(5分):飯小学校教頭先生

なお、引き渡し訓練の様子は、関心があれば住民の見学は可としました。

情報を共有することで安心感につながる

災害発生直後の学校の状況と学校・家庭の連携について講話では、ハザードマップをもとに、地域で起こりうる災害を共有したあと、災害時の状況についてスライドを見ながらイメージを膨らませてもらいました。

 

次に、災害発生時に学校がやること・保護者にお願いしたいことについては、端的にまとめられたプリント(※PDFダウンロード可)をもとに教頭先生から説明がありました。

 

その後、災害発生時の学校の連絡方法についての説明もありました。学校一斉メールが使用できなくなった場合、NTTの災害用伝言板Web171を使ってお知らせするということと、その使い方について、実際にスマートホンの画面をプロジェクターにうつし、操作しながら説明し、保護者の方も一緒に体験しました。

集会中、一斉にスマホを操作する姿はなかなか見ない風景でした。

 

多くの方は、災害に対してなんとなく不安を持っており、なんとなく準備をしなければならないと思っています。いつかしようと思っていても、日常の忙しさもあり、なかなか自分で機会を作ることが難しいのが一般的です。

その「なんとなく」な不安・気持ちを、多くの方が参加しやすい機会に合わせたミニ集会で、「具体的な行動」に促すという試みを今回紹介しました。

このミニ集会は、それほど多くの労力を割かずに実施できました。今ある情報を整理し、共有することから、お互いの安心感につながっていくのではないかと感じました。

この記事を書いた人

千明松井

松井 千明

防災教育でお悩みの先生の声を聴き、一緒に考え、背中を押す黒子を目指し日々勉強中です。普段は中越地震のメモリアル施設である「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」にいます。

  • twitterシェアボタン
  • google+シェアボタン