これまでの活動履歴
洪水時の命の守り方について考える
三条市立栄北小学校4年生
三条市立栄北小学校4年生を対象とした防災教育研究授業を参観したためご紹介します。防災教育の経験が少なく協力してほしいとの依頼を受け、資料提供や打合せなどの協力をしました。
目次
- 1. 本時に至るまでの流れ
- 2. 本時の流れ
- 3. 水害から命を守るために大切なこと
本時に至るまでの流れ
本時の流れ
本時では、まず導入として、「大雨が降ると川から水があふれて洪水になることがある」「増水した川の水の流れは速い」「くるぶしくらいの水で命が危険になる」など前回学んだことを振り返りました。
次にハザードマップを用いて校区の被害を考えました。校区は1階以上の浸水想定が出ていること、三条市は全体的に色がついているため、校区外も危険な場所が多いことに気付きました。
また、ハザードマップの色がそれぞれどのくらいの浸水を示すかイメージを掴むため、学区の写真を用意し、浸水想定と照らし合わせてうつっている建物に想定浸水ラインを書き込みました。
そこで、自分の命を守るためにどのような行動をとるか、ある状況を想定して考えました。
状況設定は「下校後、家にひとりでいるときに洪水が起こった。別の場所に避難するか?そのまま家にとどまるか?」です。
この状況における自分の行動をふせんを使ってまとめ、班で話合いました。避難する派は黄色、避難しない派はピンク色のふせんに意見をまとめました。
避難する派の意見としては…
・親がいないと家のどこに逃げたらいいかわからないから大人のいる学校に行く
・家に屋上がないから間に合ううちに避難する
・大人の人がいないと不安でしかたがないから
・家が動いてしまうから水が少ないうちに逃げないといけないから
・学校の方が家より高くて川から遠いから
避難しない派の意見としては…
・水がもうすごくたまっていたら、歩く方が危険だから
・ゆうかいだと思って家族が町をうろうろするから
・だぶん自分は被害を受けないと思ったから
・その時だけ雨がいっぱい降っていて、逃げる必要がない時もあるから
などなど、想像以上にいろんなことを想定した意見が出ていました。
班で話合うなかで、意見が変わったり、付足しの意見がでてきたりもしました。
水害から命を守るために大切なこと
最後に、この時間で学んだことを振り返りました。
・自分の住んでいる地域では、1階まで水が来てしまうことが分かった。
・避難する時も、しない時も、どうしたら命を守れるか考えなければいけないことが分かった。
・安全な場所を確かめて避難したい。
等の意見が出ていました。
家でひとりでいるときに、どう行動するか?の問いに、数名の児童が「おとながいっしょにいないとわからない」と答えていたことが印象的でした。
この学習をきっかけに、ぜひ家族と事前にその時の行動について話合ってもらえたらと感じました。
この記事を書いた人
松井 千明
防災教育でお悩みの先生の声を聴き、一緒に考え、背中を押す黒子を目指し日々勉強中です。普段は中越地震のメモリアル施設である「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」にいます。