これまでの活動履歴
長岡市未来の防災リーダー養成講座
新潟市中学校長会
長岡市消防本部で行われた「未来の防災リーダー養成講座」にて洪水ワークショップを行いました。
参加者の中・高校生が、救助訓練や放水訓練、救命講習などの実践的な体験講座を通して、防災についての意識を高め、将来の地域防災の要となる人材を育成する、というものです。
目次
- 1. 豪雨災害時の避難行動シミュレーション「EVAG」
- 2. なりきることで気付く課題
- 3. 課題の可視化
- 4. EVAGからの学び
豪雨災害時の避難行動シミュレーション「EVAG」
今年は長岡市内の中学生11人、高校生7人が参加してくれ、消防本部で行われたワークショップでは、EVAG(豪雨災害時の避難行動シミュレーション)の実践を行いました。
EVAG属性カードと呼ばれるさまざまな人物になりきって、進めていくゲームです。
※EVAGの詳しい説明についてはこちら
①ロールプレイ
災害時要援護者、多様な家族・多様なコミュニティがあることに気づく
②シミュレーション
避難のタイミング、 想定外を想定、助け合いの必要性に気づくグループワーク
③グループワーク
課題抽出⇒原因分析⇒解決方法、自助への気づき、共助への動機付けにつなげる
上記の3段階のワークを通し、災害時の避難行動について考え、学びを深めていきます。
今回は18人を6人ずつの3グループに分けて行いました。
まずは、自分がどんな属性カードを引いたのか、EVAGタウンの地図上で、どの場所に住んでいるのかを確認し、グループ内で自己紹介をします。
なりきることで気付く課題
このゲームでは、自分の引いた属性カードの人物になりきって、避難行動についてシミュレーションを進めていきます。
様々な人たちが同じ町に住んでおり、それぞれ置かれている状況が違っている中で、避難を考えなくてはなりません。
だんだん雨足が強まっていくという状況設定(ステップ1から4)で、親が帰ってこないので避難するにもできない小学生、日本語がわからないので情報が掴めない外国人、近所と関わりのあまりない大学生など、それぞれに人物の立場でどう行動するのかを考えます。
避難所に行くという判断をする人、自宅にとどまる人、判断も人それぞれです。
いざ避難所に避難したとしても、多様な人が集まり、衣食住が満たされているわけではありません。
いろんな課題があり、それぞれどうしたらいいのかを考えていきます。またそれぞれのステップで個人的に感じた課題を付箋に書いていきます。
課題の可視化
シミュレーションが終了後は、グループワークを行います。
シミュレーションで付箋に書き出した課題を分類して可視化し、それに対して自分が解決できそうな問題、周りの人と助け合って解決できる問題に分けて、対応策を考えていきます。
自分でできることとしては、「自分自身で避難グッズを揃えておく」、「健康管理に注意する」、「家族の帰宅時間をしっかり把握しておく」、「安全な道を覚えておく」、「(外国人の立場で)日本語を勉強しておく」、などなどが上がりました。
周りの人たちで協力できることとしては、「近所の自力で動けない人に対して協力する」「ご近所でコミュニケーションをとっておく」「ハザードマップを作る」などなどの意見が出ました。
こちらから一方的に防災知識を与えるよりも、シミュレーションをすることで自分事として捉えることができるようになり、その中で出てきた課題を認識することで、対応策(=日ごろからの備え)も考えることができました。
EVAGからの学び
自分でできること(自助)が万全であれば、周囲で協力してできること(共助)がスムーズになり、自衛隊や消防の救助(公助)が十分に機能することになります。
大勢の人の命を救うためにも、まずは自助、そして共助が大切だということが、EVAGを通して学ぶことができたのではないかと思います。
中越市民防災安全士会の方々からも協力を得て、講座を運営することができました。
また来年も子どもたちが災害を自分事として捉えられるような講座をしていきたいと思います。
この記事を書いた人
公益社団法人 中越防災安全推進機構
公益社団法人 中越防災安全推進機構は、中越地震に関する記録や研究活動を推進・支援するとともに、研究成果を安心・安全な地域づくりや防災安全産業の振興に役立てようと日々活動をしています。学校や地域での継続した防災教育のサポートを行っておりますので、防災教育にお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください!