防災教育 実践の様子
実践校の年間計画
新潟市立大形中学校(H30年度)
きっかけ、サポート内容
① サポートを依頼した先
- 新潟市防災教育コンソーシアム(中越防災安全推進機構)
→学習計画組立ての相談・防災工作のプログラム紹介・防災学習の導入講座 - 東区役所総務課安心安全担当
→各学年への防災出前講座 - 東区健康福祉課高齢介護担当
→認知症サポーター養成講座 - 消防署
→AED講習 - 県立特別支援学校
→合同避難訓練・講評の実施 - 東区社会福祉協議会
→車椅子講習会について情報提供
② 相談したきっかけ
前年度まで2年間実施していた地域との合同防災訓練が無くなるにあたり、秋からの総合学習で防災をテーマにすることが決まっていたが、どのように学習を組立てたらよいか相談したかったため。
③ サポート事例
- 学習計画組立ての相談
- 防災工作のプログラム紹介
- 全校対象の防災学習の意識付けのための導入講座
④ 先生の声
防災教育担当:近川先生
総合学習担当:鈴木先生
- 防災はどの分野とも関わりがあるということ。
高齢者福祉や特別支援、幼児への接し方など、何でも関わりがあり深い。防災をテーマにすると何でもできる。 - 意識付けのための導入講座のなかで、「避難所にはいろんな人たちが集まり、いろんな困りごとが生まれる」という話があったため、その後の学習で、各専門の方にそれぞれの対象者が普段どんな暮らしをしていて、災害時にはこんなことに困りそうだと具体的に習い、活動へ繋げることができた。
- 計画を立てた段階では本当にこれでいいのか、こじつけかもしれないと思いながら組み立ててみたが、やってみたらしっかり関連があり、一つ一つの活動に意味付けがあったことに気付いた。
- 学習の積み重ねが一目でわかるように、一連の学習を毎時間振り返る欄を設けたシートを作成した。
生徒は毎回きっちり書いており、すべての学習が防災の意識付けに繋がったと感じる。
⑤ 年間計画・報告書
長岡市立日越小学校(H30年度)
きっかけ、サポート内容
① サポートを依頼した先
【サポート団体】
NPO法人ふるさと未来創造堂
【サポーター】
地域に精通しているコーディネーター及び地域在住の防災士、元消防士
② 相談したきっかけ
日越小4学年の総合的な学習の時間は、平成25年度から毎年防災をテーマに1年間学習を進めている。
子どもの思いをもとに活動を進める上で、地域の講師と教師で、子どもを育てる思いを共有する場のコーディネートが必要だと感じたから。
また、活動をどのような時期にどのようなねらいで実施するか、全体の流れをどのように組み立てていくかなどを考えていくか等、粘土当初に年間の計画を共有する話し合いの場がコーディネートされることで、地域の講師の方の予定も立ちやすいし、学校側も依頼しやすいから。
③ サポート事例
対象学年:4年生85名
- 総合の年間計画作成への助言及び地域への詳細説明
- 地域が関わる活動内容や日程、それぞれの役割分担の整理
- 講座資料や計画案の作成及び当日の進行管理(または講座講師)
- 外部講師の日程調整及び派遣 等
④ 先生の声
担当:畑先生
年度当初に地域に教師の願い(子どもに育みたい力や取り組みたい活動など)を伝え、共通理解を得ることで、年間を通じての活動が同じ方向を向いて進めていける。
話し合いに第三者が関わることで、子どもの学びが中心にあることを再確認することができ、学校と地域がより子どもの学習活動の検討を建設的に話し合うことができる。
また、他校の取組や活用できる教材・資料の紹介・提供から、学習の充実はもちろん、子どもだけでなく、地域や教師も共に学べる機会になり、次年度以降の取り組みの継続・発展にもつながっている。
⑤ 年間計画・報告書
長岡市立大島小学校(H30年度)
きっかけ、サポート内容
① サポートを依頼した先
①ふるさと未来創造堂
②そなえ館
③大島新町4丁目町内会長、緑町2丁目町内会長
④原信、長岡市福祉総務課
② 相談したきっかけ
①ふるさと未来創造堂
昨年も5年生総合で防災教育に取り組んでおり、今年も取り組む予定。そなえ館に行くことはすでに計画済み。
施設訪問で子どもの学びを深めるために、訪問前後でどのような活動をしたら良いか。
また、中越地震時に小・中学生だった方の被災体験談や、地震の経験から、地域内の安心・安全のために頑張っている人の声等も子どもに聞かせたいが、だれに相談して良いかわからず悩んでいた。
そんな時、長岡市の防災玉手箱という仕組みで、ふるさと未来創造堂が防災教育の総合窓口として相談に乗ってくれることを知り、夏休みに連絡を取った。
③町内会長
地域の安全マップを作る活動の中で、地域のことをどう調べるか考え、近隣の町内会長に相談した。
防災倉庫の見学と町内での取り組みについてのお話をしていただいた。
④原信、長岡市
募金活動がしたいというこどもの声があり、原信で募金活動をするためにお願いに行った。
また、代表者が長岡市福祉総務課まで募金を届けにいく活動を行った。
③ サポート事例
対象学年:5年生116名
【ふるさと未来創造堂サポート事例】
- 総合的な学習の時間の単元計画及び授業内容の相談、資料提供等 複数回
- 外部講師(語り部や防災士等)のマッチングとコーディネート 複数回
- 中越地震の被災体験を伝える語り部 派遣 2名×1回
- 市内の他地域で防災活動を支えている方 派遣 1名×1回
- 講座、体験活動等の講師 派遣 6名×1回
1.避難所について知る、考えるグループワーク活動
2.身近なもので防災グッズを作る体験
3.家庭での備えや家具固定を知り、体験する活動
4.災害食作りの体験
④ 先生の声
担当:第5学年総合担当
- 国語の中でも、『百年後のふるさとを守る』という教材文で自助、共助、公助について知り、「互いに助け合う」「みんなで命を守る」「ふるさとを守る」ということがこの総合学習の中でより深く学ぶことができた。
- 夏休みにふるさと未来に相談し、計画を一緒に考えることができたことで、活動の流れがイメージできた中で進めることができて本当に良かった。
- 活動を進める中で、子どもたちは目の前の活動に集中するため、「何のために」この活動をしているのか(例えば、何のためにこの防災グッズを作っているのか、等)を忘れてしまうため、何度も確認をしながら活動を行った。
その際、語り部の方のスライドや話していた内容を教室に貼りだしておくなど、聞いただけでなく形に残しておくと良かったと感じた。
⑤ 年間計画・報告書
長岡市立旭岡中学校(H30年度)
きっかけ、サポート内容
① サポートを依頼した先
NPO法人ふるさと未来創造堂
② 相談したきっかけ
- 平成30年5月にふるさと未来創造堂と地域の防災教育担当者が一緒に学校に訪れ、長岡市独自の防災教育教材「長岡市防災玉手箱」の追加教材の差し替えをしていただきながら、防災玉手箱の仕組みや使い方について説明を受けた。
その際、学校が防災教育に取り組む際の相談窓口があり、学習計画の相談や資料提供等のサポートが受けられること、被災体験を持つ語り部や地域の防災に詳しい様々な講師派遣が可能なことを聞き、地域に根差したより実践的な防災教育に取り組めると感じた。 - 学校としても防災教育を継続して取り組んでいるが、担当が変わった最初の年は、過去の資料の見直しから、他の職員との調整・準備等、担当者の負担は大きい。
その負担感を外部の相談窓口や地域のサポートの力を借りて、共に学びの機会として考えていけることが、学校現場の負担軽減と子どもが自分事として捉えられる防災教育の推進につながると感じている。
③ サポート事例
対象学年:1~3年生228名
- 学校の防災教育年間計画(新潟県防災教育プログラムの活用)に基づき、学活や理科1単位時間の中で新潟県防災教育プログラムをどのように活用して授業を行うかといった学習計画案の作成
- 授業への講師派遣、被災体験語り部の講師派遣
- ホワイトボードを活用した学習の提案
④ 先生の声
- 中越地震の体験談を伝えてくださる地域講師(語り部)を招いての学習時、避難所に避難した方と避難しなかった方の双方の立場からの体験談、その理由や思い等を聞いた。
生徒は被災した後の生活についても様々な課題や不安があることをイメージすることができ、被災後の生活を少しでも良くするために中学生にできることを具体的に考えることができた。 - 学習内容に沿った被災体験談をお話いただける方とのつながりは持てていない。
どこに、どのような人がいるかわからず、招きたくとも招けないのが現状である。
結果、画像や映像での学習になってしまい、生徒が自分事として捉えられないこともある。
学校が持てていないつながりを補完し、講座当日までコーディネートしてもらえるのは、教員にとっても貴重な学びの機会になる。 - 防災教育担当者にとって、相談すればサポートしていただける環境が長岡市に存在することが、安心して学校全体での防災教育を進めていくことにつながっている。
- 「ホワイトボードを活用した話合い活動をしたい。」等、学校が育みたい力につながる活動内容についても、防災を学習題材として様々な提案や助言をいただくことができ、生徒の学びに向かう姿勢も非常に主体的だと感じている。
⑤ 年間計画・報告書
見附市立田井小学校(H30年度)
きっかけ、サポート内容
① サポートを依頼した先
(公社)中越防災安全推進機構
② 相談したきっかけ
児童は、災害発生時の避難の方法については避難訓練などである程度イメージをもっているが、事前や事後の備えや対処について知見が浅いと感じていた。
実際に被災を経験した方や、防災教育の専門家に話を聞いたり授業をサポートしていただいたりすることで、防災への関心をより高め、自分ができることについて考えさせたかったため。(5・6年)
③ サポート事例
- 活動計画に関するアドバイス
- 学習参観日の防災学習の実施補助
- 学習参観日の防災学習の語り部派遣
- 防災学習に関する資料提供
④ 先生の声
5・6年生担任:藤井先生
3・4年生担任:宮口先生
【やってみてよかったこと】
- 子どもたちが登下校で通る道にも、危険個所がたくさんあることに気付いたこと。(3・4年)
- 子どもたちの防災意識が高まったこと。(3・4年)
- 実際に地震が起こった時の映像を見せていただき、災害発生時に「ほとんどの人は何もできない」という事実を知ることができた。
そのため、日ごろから防災に関する関心を高め、家族で話題にしたりしておくことが大切だと気付かせることができた。(5・6年) - 自分たちの長い時間過ごす場である学校も災害の備えがあることについて、授業のプランをアドバイスいただき、その後の学習にスムーズにつながった。(5・6年)
【改善点】
- 今回の学習は総合学習の一環として実施したが、単発となってしまったため、社会や前後の総合の学習と関連付けながら進められるとよかった。(3・4年)
⑤ 年間計画・報告書
上越市立飯小学校(H30年度)
きっかけ、サポート内容
① サポートを依頼した先
(公社)中越防災安全推進機構
② 相談したきっかけ
学校が活断層の真上にあることと、避難所開設の経験がないことから、避難所開設時や緊急時に職員と地域がどう連携したらよいか体験的に考える機会を持ちたい。
③ サポート事例
- 活動計画に関するアドバイス
- 教職員・地域住民向け研修会の実施(避難所運営ゲーム)
- 避難訓練後の全校児童・地域住民向け防災学習の実施(伝言ゲーム)
④ 先生の声
担当:栗岡校長先生
- 体験的なシミュレーションを通じて、事前に必要となる備えに関して考えることができた。
- 2回の避難所運営ゲーム(地域・教職員対象、児童対象)を通じて、災害時に学校がどのような状況に置かれるか模擬体験でき、学校職員と地域の代表との間で課題を共有できた。
- 2年かけて安全管理・防災教育の推進に取り組む。
今年度は教職員と町内会長・防災担当の方と実施できたことで、来年度はさらに地域住民の参加を広げたい。