これまでの活動履歴
避難所体験ゲーム
長岡市立東中学校3年生防災コース
長岡市立東中学校3年生の総合的な学習の時間における防災コースの学びを2回にわたってご紹介します。
東中学校3年生は、産業・福祉・平和などのコースに分かれ、1年間かけて学びを深める活動を行っています。中越防災安全推進機構では、その学習の流れの組立てや支援で数年前から関わってきました。
今年の3年生はちょうど中越地震が発生した2004年度に生まれました。生まれて間もない、もしくは生まれる数か月前に起こったことのため、ほとんどの生徒はきおくがありません。
学習を深める前にきおくみらいで、長岡でどのようなことが起こり、どのように立ち直ってきたのかを学んでもらいました。
起震車の体験や近隣の保育園との合同避難訓練など、経験を積んだあと、災害時の学校はどんな状況になるのか、避難所体験ゲームを通して考えてもらいました。
避難所体験ゲーム
避難所体験ゲームとは、災害直後の避難所を想定し、そこで起きる様々な課題についてどう対応するか考え、避難所を模擬体験するゲームです。
イメージとしては、静岡県で開発された「避難所運営ゲーム(HUG:ハグ)」を、より準備品を少なく、より短時間でできるよう簡素化したものです。
4~5名のグループに分かれ、避難所開設初期に起こりうる課題について、短時間でその時できる最善の策を考えます。
課題は、避難者からの声として紹介し、その困りごとに対してどんな風に受け答えするか、班で話合ってシートにまとめる形式でワークを進めていきます。
下記は避難者の声の一例です。
「ペットと一緒に避難してきたけれど、どこか入れるばしょはありますか?」
「足腰が弱く立ち座りが辛そうなお年寄りが結構います。何かしてあげられないでしょうか?」
「日本語がよくわかりません。英語なら少しわかります。今の状況を教えてください。」
「タバコはどこで吸ったらよいでしょうか?」
15分間で10問の困りごとを考えてもらいました。
参加者の感想
ゲーム終了後、A3用紙と付箋を使って簡単に振り返りを行いました。
振り返りでは下記のような気付きが出ました。
・1つの困りごとでも色々なケースを考えていくうちに対応するのが難しくなってしまった。
・外国人が避難してくるという想定をしていなかったので対応に悩んだ。
・災害時は外国人もいると思うので、英語をもっと身につけたいと思った。
・その時になって対応を考えるとうまくいかないこともあるかもしれないから普段からの準備が大切。
・東中のことは地域の人達よりも知っているので、自分たちが積極的に動かないとだと思った。
・学校の設備がすごくても、対応できていなければ意味が無くなってしまうと気付いた。
・一人では対応できない困りごとがたくさんあったので、協力することは大切だと思った。
次回はここで気づいたことをもとに、災害時の中学生の役割、や平時の備え・心構えなどを地域の方と一緒に考えていくワークをご紹介します。
この記事を書いた人
松井 千明
防災教育でお悩みの先生の声を聴き、一緒に考え、背中を押す黒子を目指し日々勉強中です。普段は中越地震のメモリアル施設である「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」にいます。