これまでの活動履歴

生徒自身が避難訓練の改善を考える

新潟市立高志中等教育学校

10月14日(水)に新潟市立高志中等教育学校で地震を想定した避難訓練とその後の振り返りが行われました。
新潟市立高志中等教育学校は中高一貫校で、今年度、新潟市「防災教育」学校・地域連携事業の指定校となっています。

今回の避難訓練の流れは下記の通りでした。
朝学活・SHR時に避難訓練の事前連絡→学活・LHR時に地震発生→体育館へ避難→校長先生のお話→学級に戻って振り返り

振り返りでは、ワークシートを使い、個人で振り返りをしたあとグループで話合いをしました。
話し合いのテーマは「避難訓練の良い点・悪い点・改善方法・工夫などを考える」です。

安全・防災担当の先生との打合せで、「与えられた課題について自分の考えをまとめることが得意な生徒が多い」と伺っていた通り、
定期試験かのようにワークシートを記入、前傾姿勢で話合いをする姿が印象的でした。

生徒からは、

「学級からではなく特別教室からの避難をしてみてはどうか。」

「使えない場所や通路の指定をしてはどうか。」

「自分は足を骨折していたので机の下に隠れることができなかった。もし実際に地震が起きていたらどうしただろうか。」

「小学校の時みたいに予告なしの避難訓練をやって欲しい。予告されると皆気持ちが緩む気がする。」

「避難場所を一か所にする必要性はあるのか。グラウンドや体育館などそれぞれが一番近い安全な場所へ逃げた方が良いのでは。」

「大きな地震で建物が倒壊する危険性があるのに体育館に避難するのはなぜなのか」

などなど、鋭い指摘や提案など多様性に富んだ話合いがなされていました。

 

消防法に基づき、すべての学校で定期的に避難訓練は行われています。

この避難訓練の改善を、教職員だけでなく生徒も一緒に考えることで、より実態に即した訓練に近づく可能性があるのではないでしょうか。

何よりもまず、参加する教職員、生徒自身が訓練の意味を問い直すことに防災の第一歩があるのではと感じさせられる一日でした。

この記事を書いた人

千明松井

松井 千明

防災教育でお悩みの先生の声を聴き、一緒に考え、背中を押す黒子を目指し日々勉強中です。普段は中越地震のメモリアル施設である「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」にいます。

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