これまでの活動履歴

火を使わない災害時の食事づくり

長岡市立栖吉小学校

7月6日に、長岡市立栖吉小学校6年生と保護者を対象にした防災講座を実施しました。栖吉小で防災をテーマにPTA行事を行うのはこれで3年目です。

中越地震当時、栖吉小では長岡市の小学校の中でも大きな被害を受け、避難所も開設されました。

地震から13年経過し、学校に通うのは皆地震を経験していない子どもたちになりました。経験がないのは、子どもたちだけではありません。中越地震後に別の地域から来た保護者の方も今では多くなってきています。

今回の講座では、当時の様子を振り返るとともに、もしまたこの地域で大きな災害が起きた時に、「どんなことに困り」「どんな備えが必要か」を考える目的で行われました。

 

災害食づくり体験に入る前に、災害時の食の重要性について考えるために、避難所での食をテーマにした話し合いを行いました。

「300人いる避難所におにぎりが100個しか届かなかったらどうする?」

この課題について、保護者の方も交えたグループで話し合います。

「煮炊きして雑炊にしたらどうだろう?」「でも、水とか鍋とかガスとか道具が必要になるね」

「自分は我慢して小さい子やお腹が空いてる人ひ譲る」「そんなの絶対無理だよ」

その後、長岡市の食料備蓄の状況や、災害時の食に関する困りごとを確認しました。

 

災害直後、避難所に届く物資のほとんどはパンやおにぎりなど炭水化物中心です。炭水化物中心の食生活が続くと、食欲不振、ビタミンやミネラルなどの不足で体調を崩すことにもつながります。

電気・ガス・水道が使えず、生鮮食品を調達しづらい災害時でも、栄養価の高い食事を最小限の手間と物資で作る手段として、火を使わないパッククッキングを体験しました。

常温保存でき、栄養価の高い切り干し大根・乾燥わかめ・ツナ缶をポン酢で和えた切干大根サラダを作りました。

包丁も火も使わないため、分量さえ決めてしまえば小さな子どもでも安全に作ることができます。

災害時を想定し、限られた水で調理したため、味付けがやや塩辛くなってしまった班もありましたが、これも経験です。今度もっと上手にできるようにぜひ家庭でも試してもらいたいなと思いました。

この記事を書いた人

千明松井

松井 千明

防災教育でお悩みの先生の声を聴き、一緒に考え、背中を押す黒子を目指し日々勉強中です。普段は中越地震のメモリアル施設である「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」にいます。

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