これまでの活動履歴
新潟市防災教育教職員研修会を実施しました
新潟市教育委員会
新潟市ではふるさと新潟防災教育推進事業(学校実践)の補助金を活用して、平成27年度から「防災教育」学校・地域連携事業に取組んでいます。5年間かけて、新潟市内の全ての小中学校を指定校とし、各学校において防災教育の自校化を目指すものです。
指定校には新潟市防災教育コンソーシアムが1年間かけてサポートにあたり、中越防災安全推進機構もその一員として事業当初より現場の先生との伴走型の支援を行っています。
今回は、平成29年度と平成30年度の指定校担当者を対象とした報告会兼研修会の企画・運営を担当したため、その様子をご紹介します。
「実践してみて変化したこと」「防災士の活用方法」など実践校による報告
「防災教育といっても何から手を付けたらいいのかわからない」と感じているH30年度指定校の先生や、「1年間取組んでみたけれど他の学校はどうだったのか知りたい」と感じている平成29年度指定校の先生に対し、必要な情報が伝わり少しでも不安感が解消され背中を押す機会となるよう研修会を組立てました。
教育委員会と防災教育コンソーシアムからの事業説明の後、平成29年度指定校の2校の先生より実践報告をしていただきました。
上山小学校の清水良紀先生からは、取組む前に感じていたことや具体的に段取りしたこと、やっていく中で変化したこと、手応えのあった点・難しかった点など、ご自身の心境も含めて丁寧にご報告いただきました。
「4月に赴任し指定校だと知り『何ができるか・何をしなければならないか』という思いが先行していたが、中学校区ミーティングで他校の取組みからヒントを得たり、校内やコンソーシアムとの打合せを進めたりするうちに『なぜ防災教育をするのか』を意識して取組む必要性に気付いた」とのお話がありました。
赤塚中学校の佐藤清志先生からは、既存の学習をアレンジし、地域の防災士と連携した活動について詳しくご報告いただきました。
「1年生総合で地域学習として例年校区の自然環境の調査を行ってきたが、小学校や生徒会活動との重複があったため、今年度は防災・防犯の面で地域を見つめ直そうと安全マップ作りを計画した。事前学習や調査活動時に地域の防災士の方にアドバイスと見守りをお願いした。教員数が少ないため、防災士の助けがあり活動が実現できた」とのお話がありました。
先生同士のざっくばらんな情報共有の場としてのグループワーク
その後のグループワークでは、防災教育の自校化を1年間かけて試行錯誤した学校と、次年度取組む学校の担当者が一堂に会すため、学校規模や地域性の似ている学校同士で班となり、お互いに気になっていることをざっくばらんに話し合ってもらいました。
「そもそも防災士って何?」
「予算はどんな風に使った?手続きは面倒?」
「家庭とはどうやって連携した?」
などなど同じ先生の立場だからこそ聞ける・伝えられる情報がやりとりされました。
約40分間の情報共有の時間はあっという間に過ぎ、各班で話題になったことを「参考になった点」「もやもやした点」の2つの視点でまとめてもらいました。
もやもやした点については、私たち新潟市防災教育コンソーシアムスタッフがこれから1年間かけて解消を目指し先生をサポートしていきます。
指定校1年間の試行錯誤を終えた先生は…
グループワークの様子を見ていて強く感じたことは、平成29年度指定校の先生の表情がとてもキラキラしているということです。
昨年も同様の研修会を開催し、その時の平成29年度指定校の先生方は、取組む前ということもあり「一体どんなことをすればいいのだろう」と不安気で硬い表情の方が多かったように思います。
1年間の実践を通して、各学校・各先生なりの防災教育との付合い方が見えてきたからなのか、1年前の表情とは見違えるほど生き生きと語られている先生を多く見ることができました。私たちがこの業務に携わるなかでとてもやりがいを感じる瞬間でもあります。
「防災教育の自校化」は学校によってさまざまです。現場の先生が一人でもやもやを抱え込んだままにならないよう、今後も課題の解決を目指して支援を行っていきます。
この記事を書いた人
松井 千明
防災教育でお悩みの先生の声を聴き、一緒に考え、背中を押す黒子を目指し日々勉強中です。普段は中越地震のメモリアル施設である「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」にいます。