これまでの活動履歴
防災を学ぶ意義について
三条市立第四中学校
三条市立第四中学校で3年生約100名を対象に防災講話を行いました。
目次
- 1. 講座の流れ
- 2. 中学生が防災を学ぶ意義
- 3. 最後に
講座の流れ
講師は、3月まできおくみらいの受付を担当し、この4月から地域防災力センターのスタッフとして働いている松井が勤めました。
中学校に出向いての講座は今回が初めてです。
4月14日に発生した熊本地震の被災地に、4月16日~19日に長岡市より派遣された先遣隊の1人として現地で見聞きし、感じたことを元に、「中学生がなぜ防災学習に取り組むのか」についてお話ししました。
熊本での経験で伝えたいことが多すぎたため、準備段階ではまずエピソードの整理から行いました。講話の他に、新聞紙でスリッパを作る時間も取ったために、休憩時間を5分いただき、55分間で授業の組み立てを行いました。
講座の流れ
・防災講話(35分)
・新聞スリッパ作り(10分)
・質疑応答(7分)
・感想発表(3分)
中学生が防災を学ぶ意義
講話では、現地で撮影した写真を交えながら地震発生2日~5日後の避難所の様子や現地でお会いした方々の様子、避難所で会った小中学生の様子をお伝えし、そこから考えられる災害時の中学生の役割をお話ししました。
30分間講話を聴き続けるというなかなか集中力が必要な状況でしたが、こちらの予想に反してテスト勉強かの如く皆さん真剣にメモを取っている姿が印象的でした。
後半のスリッパ作りでは、周りの人と会話のキャッチボールを楽しみながら防災知識を得ることができたのではないかと思います。
熊本の現地へ行ってきた者が講師ということで、事前にたくさんの質問をいただきました。
- 「物資は地震があってから何日後に届くのか」
- 「被災者の方にどんな声掛けをするのか」
- 「支援をするときに心がけていることは何か」
- 「多くの災害現場で共通していることはあるか」
- 「想像と違っていたことはあるか」
- 「災害時にまず私たちがやるべきことは何か」
などなど、通り一遍ではなく鋭い質問内容から第四中の皆さんの今回の地震に関する関心度の高さが伺え、答え甲斐があるなと楽しみな気持ちで当日を迎えました。
時間の関係で当日は3問しか答えられなかったのですが、のちほど書面でお答えします。
最後に
「テレビやラジオ、新聞などでは知ることのできない現地の状況を知ることができ、とても勉強になりました。一番印象に残ったのは、避難所で小中学生が避難者の方にバナナを配っていたという話です。ひとりひとりが助け合いの気持ちを持てば、ほかの人にも勇気を与えられることを知り今後に生かしていきたいと思いま した。私は中越地震の時、まだ小さくほとんど覚えておらず、大きい災害はほぼ未経験ですが、今日の話を聞いて災害が起こった時に自分がどう行動したら良いのか知ることができて良かったです。本当にありがとうございました。」
まさに、こちらの伝えたかった所を感じ取り、短時間で自分の言葉にまとめられていました。
私自身、初めての学校出前講話で、うまくお伝えできているか大いに不安だったのですが、この感想を聞き、胸が熱くなりました。今後も第四中のみなさんと防災学習を進めていくことが本当に楽しみです。
次回は、学校が避難所となり、そこへとある家族が避難してきた場合に起こりうる課題をグループで話し合うワークを予定しています。
熊本地震の発生以来、新潟県内の小中学校でも防災学習についての問い合せを多数いただいており、意識の高まりをひしひしと感じています。
この高まった意識を受け、中越防災安全推進機構では、中越メモリアル回廊各施設や語り部の方など、中越地震で得た教訓を活用しながら、いかに多くの子どもたちが自分のこととして災害をとらえ、自分で自分の命を守り、周りにも目を向けられるようになるかというお手伝いを引き続き行ってまいります。
この記事を書いた人
公益社団法人 中越防災安全推進機構
公益社団法人 中越防災安全推進機構は、中越地震に関する記録や研究活動を推進・支援するとともに、研究成果を安心・安全な地域づくりや防災安全産業の振興に役立てようと日々活動をしています。学校や地域での継続した防災教育のサポートを行っておりますので、防災教育にお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください!