これまでの活動履歴
視覚障害者の被災体験を聞き歩行体験をする
新潟市立亀田東小学校
新潟市立亀田東小学校で5年生を対象に総合的な学習の時間を活用し防災学習が行われました。
既に学校で行われていた「亀田の米作り」の単元と組み合わせ、まず水害について学び、
その後、東区社会福祉協議会と連携し、福祉学習と防災学習を組み合わせた学習を行いました。
目次
- 1. 視覚障害者の被災体験を聞く
- 2. 視覚障害者の歩行を体験する
視覚障害者の被災体験を聞く
福祉学習に入る前に、まずは自分たちの住む地域にどのような被害が想定されるかをハザードマップで確認しました。
さらに、防災の担当部局である新潟市江南区役所地域総務課の職員の方に、過去に地域で起きた災害の写真や、この地域で災害が起きた際に想定される状況、区の備えの状況などのお話を聞きました。
避難所には「いろいろな立場の人」が集まって避難すること、避難した人同士が協力することが大切だということを学びました。
そんな前段をふまえ、「いろいろな立場の人」の一部である視覚障害者の方をゲストスピーカーに招き、普段の生活で困難に感じることや、ご自身や視覚障害を持つご友人が災害に遭われた時のことを聞きました。
お話しいただいた関さんは、非常にお話が上手で、子どもたちはワークシートいっぱいにメモを取っていました。
なかでも、「避難所の生活で目の見えない人は掲示が見えない、耳の聞こえない人は放送が聞こえない」「目も耳も使える人は掲示でも放送でもどっちでも情報を得られる」「みんなはどんな風に情報を伝えたらいいと思う?」との投げかけがあったことが印象的でした。
視覚障害者の歩行を体験する
関さんのお話のあと、休み時間をはさんで45分で歩行体験をしました。
150人近くの大人数でも全員が誘導する役・される役を1回ずつ時間内に体験するためにすばらしいアイデアが導入されていました。
専用のアイマスクではなく、口に装着する普通の使い捨てマスクを目に装着することで、視覚障害の方の状況を疑似体験しました。
お金も時間もかかりにくい良いアイデアだなと感じました。
マスクだけならいつもとさほど変わらないのではと思いきや、みんな慎重になり誘導役の腕や声、自分の足の感覚を頼りに歩いていました。
区役所や社会福祉協議会と連携することにより、通常の授業だけでは得られない知識・体験を得ることができた好事例の紹介でした。
この記事を書いた人
松井 千明
防災教育でお悩みの先生の声を聴き、一緒に考え、背中を押す黒子を目指し日々勉強中です。普段は中越地震のメモリアル施設である「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」にいます。