これまでの活動履歴
上越市教職員研修
上越市教育委員会
5月8日(火)に上越市の全小中学校の防災・安全教育担当職員対象の防災教育に関する教職員研修を実施しました。
上越市教育委員会からの依頼を受けて、本機構がこの研修会に携わるのは今年度で4年目となります。
今年度は、4月から教育委員会に異動されたばかりの先生と一から企画を練って実施に至りましたのでその様子をご紹介します。
研修会のねらい
打合せの結果、本研修会の目的を下記のように設定しました。
①「防災教育」に対する負担感を解きほぐし、理解や共感を得ることで、それぞれの学校、立場にあったやり方で防災教育に取組む動機付けとしてもらう。
②指導例や、防災教育の実践事例、防災教育に活用できる補助金の情報を聞き、各校での具体的な取組み方についてイメージを膨らませてもらう。
先生は「防災教育」を率直にどうとらえているか
研修会のチェックインとしてまず4マス自己紹介をしてもらいました。
4マスのうちの1マスには『「防災教育」を率直にどうとらえているか』を書いてもらい、近くの人と共有してもらいました。
「万が一のための教育であるため、なかなか自主的に実施することができない」
「必要性は感じているが、日常でしなければならないことが多いためついつい後回しになってしまう」
「子どもに指導できるほどの確かな知識・材料がないので難しい」
「初めて担当になり、何をどの程度まで準備しておけばよいのか不安(交通安全・避難訓練だけじゃないと思うけど…)」
など、本当に率直なつぶやきのような声を聞くことができました。
「必要不可欠で大切なのは承知しているが…責任が重い。荷が重い。」
という先生の言葉には非常にショックを受け、改めて担当の先生の負担感・不安感を感じました。
先生のやってみようかなの気持ちを支える情報あれこれ
その後、防災教育の指導法の一例として、簡易版防災クロスロードゲームの紹介や、地域資源の活用のきっかけとして東頸消防署の方より取組の紹介、県内の他地域で行われている防災教育を自校化するための様々な工夫、防災教育に使える補助金のご紹介をしました。
東頸消防署の畔上様からは、「子どもへの教育について先生の右に出るものはいない。消防署はあくまでも外部講師であり、先生が主体的に熱意を持って取組むことがカギだと感じる。」とのお言葉をいただきました。
「防災教育に戸惑いを持つ人が他にもいたこと」
最後に研修会のチェックアウトとして、白紙のA4用紙を使い振り返りを行ってもらいました。
テーマは「心に残ったことや気づき」「自校に持ち帰りやってみようと思ったこと自分の立場でできそうなこと」です。
・まずは避難訓練後の振り返りでクロスロードゲームをやってみたい。これならすぐできて、自分にも担任にも負担が少ない。
・授業として、行事としての防災教育ではなく日常活動の中で何かできないか?まずは教員の意識改革が大切。職員研修の必要性を感じた。
・防災教育は危険性や対処法を教えるだけでなく、主体性を育む学習であると気付いた。
・防災教育を行うにあたり教科や行事と関連付けて実施できるヒントを得ることができた。生活の中で少しずつ意識させていければと思う。
などの気づきが寄せられました。
研修会の冒頭で「防災教育は責任が重い。荷が重い。」と書いていた先生が、研修会を通して心に残ったこととして書いたのは「防災教育に戸惑いを持つ人が他にもいたこと」でした。
今回の研修会は、参加者の先生同士の意見交換をメインに組み立てました。同じ先生の立場だからこそわかり合える気持ちがあるのだと改めて感じました。
防災教育の担当となり一人で悩んでいる先生の負担を少しでも軽くできたら。そして少しでも前向きに取り組む先生、学校が増えるようなサポートを引続き行ってまいります。
この記事を書いた人
松井 千明
防災教育でお悩みの先生の声を聴き、一緒に考え、背中を押す黒子を目指し日々勉強中です。普段は中越地震のメモリアル施設である「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」にいます。