これまでの活動履歴

小中学校と地域が連携した合同防災学習

柏崎市立北条小学校・中学校

平成29年5月1日に柏崎市北条地域において、小学校、中学校と地域が連携した合同防災学習が実施されました。
小中学校の児童・生徒はもちろんですが、地域からは各自主防災会長と地域防災本部役員が駆けつけました。

北条の自主防災組織での取り組み

北条地域は、各町内会で自主防災組織を持っており、会長は兼任されています。また、その自主防災会組織を束ねる北条地区災害対策本部は、コミュニティ会長が務めています。
オレンジ色のビブスを来ている人が、各自主防災組織の会長です。

北条地域は、中越大震災、中越沖地震を経験しており、日頃から防災に関する取り組みに熱心な地域で、防災まちづくり大賞も受賞しています。
ですが、小学校、中学校と合同での訓練は初めてのこととお聞きしています。

この合同訓練を行うにあたっては、事前に防災教育プログラムの【土砂災害編】を活用した事前学習を行い、今回の避難訓練へとつなげています。

北条小学校での取り組み

学校では、今年は中越沖地震から10年の節目でもあり、中越沖地震の経験と教訓を次世代につなぎ、過去の被災経験や対応をもとに地域での危険個所の確認及び地域での避難の仕方を学ぶ、実践的で具体的な学習機会とすることを目的としています。
柏崎市では、地域に教育コーディネーターが配置されており、学校からコーディネーターさんを通じて地域との合同訓練が打診され、地域から各町内の自主防災組織が出向くこととなったそうです。

授業中に地震が発生したと想定し、まずはグラウンドに避難しました。
当初、集合場所は学校の計画では学校正面の駐車場だったそうですが、緊急車両等が入ってくることなど想定したうえでグラウンドに変更したそうです。
これらも地域の被災経験者の声を反映しています。

安否確認を行った後、各地域へまとまって下校となりました。
下校時には各地区の避難場所となる集会所へ集合して、地域の危険個所を会長さんの案内でみんなと歩いて確認しました。私が同行した地区では、地域の見どころや、今勉強している在来種の日本タンポポなど、小学生のみなさんから地域のことも教えてもらいました。

町内を巡検して回りながら中学生の地区リーダーが、教えてもらった危険カ所の写真を撮影して記録を取っていました。
これは翌日、マップを作製する際に使用しました。

普段意識していなかった所に気が付くこと

翌日のまとめの時間では、地震だけでなくその後に起こるかもしれない土砂災害や、水害への備えなどが話し合われたようで、代表して発表したみなさんからも、水没しそうな場所など発表が続きました。
普段意識していなかったけれど、大雨の際には水没する恐れのあるアンダーパスには近寄らない方が良さそうといった気付きもあったようです。

北条をかけがえのない場所に

結びとして小学校の教頭先生から、「北条は良い所もたくさんあります。ですが、いざという時の備えとして災害についても学んでおく必要があります。」とのお話もありました。
一緒に歩かせていただいた地域は、田植え直前の準備中でもあり、水が引かれた水面に映り込む青空と合わせて、とてものどかで美しい牧歌的で豊かな地域であると感じました。
災害があるから危険な地域ではなく、生きていくうえでかけがえのない場所と思えるような取り組みが大切だと改めて思いました。

今後は、小学校6年生を対象として防災学習を「まちから」や「そなえ館」で行います。
今年の6年生のテーマは「北条ネットワーク」とのこと。
地域の力でみんなで支え合っていくことを学んでいただけるように、まちからでも準備を進めております。
今後も機会を見て報告したいと思います。

この記事を書いた人

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公益社団法人 中越防災安全推進機構

公益社団法人 中越防災安全推進機構は、中越地震に関する記録や研究活動を推進・支援するとともに、研究成果を安心・安全な地域づくりや防災安全産業の振興に役立てようと日々活動をしています。学校や地域での継続した防災教育のサポートを行っておりますので、防災教育にお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください!

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