これまでの活動履歴

避難場所としての学校を住民と確認する

新潟市立竹尾小学校

多くの学校が、災害時の避難所として各自治体から指定されています。避難生活を送る避難所としてだけではなく、津波の避難場所にも指定されている新潟市立竹尾小学校区の防災訓練に参加してきました。

この防災訓練は、竹尾小学校のある木戸地域の防災会が主催です。学校が主催ではありませんが、この訓練の「ちょっとした」、でも「参加した住民の満足度も地域の防災力もアップ」する工夫をぜひお伝えしたくご紹介します!

工夫その1:卒業生として中学生が参加する

訓練には竹尾小学校を卒業した、木戸中学校の生徒も参加しました。住民と一緒に炊き出しや心肺蘇生、応急手当などの訓練を行いました。

今回は役割を与えられての参加でしたが、「同じ地域にどんな人がいるのか」「災害時に備えて大人たちはどんな準備をしているのか」など一緒に活動することによって、初めて知ったり感じたりところもあったのではないかと思います。

工夫その2:実際の避難場所を確認する

竹尾小学校区は、川から遡ってくる津波や河川の氾濫により、浸水の可能性がある地域であり、小学校の屋上を含む3階以上の階が避難場所に指定されています。

これまでは、体育館に集まって訓練をしており、住民が屋上に上がったことはありませんでした。

学校の構造として、屋上に登る階段が1か所しかなく、在校生や卒業生ならわかるものの、それ以外の人はわからないということで、今回初めて参加者全員が実際に4階建て校舎の屋上に上る活動が訓練に加えられました。

参加した70代の女性は「普段こんなに階段を登ることはないから大変」「でも避難する場所を確認できてよかった」とおっしゃられていました。

屋上に出てみると、ほとんどが学校より低い建物でした。

体育館が浸水した場合の避難場所である3階の多目的ホールも見学しました。

在校生の保護者を除いてほとんどの住民は、ふだん学校に入る機会がありません。

地域の防災訓練に合わせて避難場所を開放することで、参加した方は、おぼろげにしかイメージできなかった避難行動や避難生活を具体的につかむことができ、少しでも不安が和らいだのではないのでしょうか。

学校と地域でできることを少しずつ

ひとたび災害が発生すると、多くの住民は学校に集まります。

「その時に困りそうなこと」「いま不安に思っていること」を学校と地域が普段から話し合い、災害が起きる前にできることを少しずつでも取り組んでいく。

このことが、災害に強い学校と地域をつくることに繋がっているのだなと改めて感じた訓練でした。

この記事を書いた人

千明松井

松井 千明

防災教育でお悩みの先生の声を聴き、一緒に考え、背中を押す黒子を目指し日々勉強中です。普段は中越地震のメモリアル施設である「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」にいます。

  • twitterシェアボタン
  • google+シェアボタン