これまでの活動履歴

きおくみらい見学&グループワーク

長岡市立宮内中学校

9/14~16の3日間に渡り、長岡市立宮内中学校3年生の皆さんがきおくみらいに来てくれました。
3年生6クラスが、1日2クラスずつに分かれて来館し、展示見学とグループワークを行ないました。

展示見学では、15分のシアター映像を見て、展示パネルや航空写真での中越地震の概要説明を受けた後、iPadを操作しながら、各被災地にまつわる情報を検索しました。

正解のない問題どう捉えるか

グループワークは多目的ホールで行ないました。

4月に発生した熊本地震の被災地支援に行ったスタッフが熊本での避難所の様子を伝え、様々な人が集まり、衣食住が満たされていない混沌とした避難所において、中学生にも運営者の視点に立って、「自分ならどうするか」を考えてもらいました。

  • 設問1:食料について
    「避難所に300人いる状況で、100個のおにぎりが届けられた。今日はこれ以外の食料が届く見込みもない。さてあなたならおにぎりを配るか配らないか?」。
  • 設問2:トイレについて
    「トイレが汚くなってきた。あなたは掃除する?しない?」

この問題に対して、まずはYESかNOを選び、その理由をワークシートに記入します。

この問題に対して、まずはYESかNOを選び、その理由をワークシートに記入します。

大切なのは自分の考えを言えること

YESを選んだ理由は、「配らないと腐ってもったいない」、NOを選んだ理由は、「平等じゃないから不公平」「喧嘩になるかも」など、いろんな意見がでました。
YES、NOどちらを選んだとしても、正解不正解はありません。
自分がどちらを選択したのか、そしてどうしてその答えを選んだのか、自分の考えをきちんと言えることが大切です。

その後、グループ内で、グループ内のYES/NOの人数、その理由、解決策を話し合ってもらいました。
解決策としては、「子どもやお年寄りを優先して配る」「おにぎりを全部崩して300個に握りなおす」など、いろいろ考えてくれました。

2問目も同様に、個人ワーク→グループワークの流れで実施。
トイレを掃除するかしないか、についてもYES/NOがはっきりと分かれました。

掃除する派の意見は「その後みんながきれいに使えるからやったほうが良い」「掃除しないと詰まって使えなくなる」。
掃除をしない派の意見は「掃除してもすぐに汚くなる」「掃除した後、水道が使えず手が洗えないので自分が病気になるかもしれない」などの意見が出ました。

この問題も正解、不正解はありません。
食料の問題、トイレの問題も、避難所生活においてはどの避難所でも課題であり、自分たちも直面するかもしれないとても身近な問題です。

中学生も地域の一員

そして、宮内中学校の学区内で町内会長をしている盛澤文雄さんに、地域の人から中学生へ期待していることをお話しいただきました。
今年で盛澤さんに来ていただくのも3年目になります。

今年は、直接顔見知りのご近所の中学生がいたようで、小学生時代に交通安全ボランティアをしていた盛澤さんを思い出した生徒もいました。

中学生も地域の一員であるということを意識してもらうのは非常に重要です。
そのため、盛澤さんには毎年ご協力をいただいています。

宮内中学校は、地区防災センター(備蓄集積拠点)でもあり、中越地震後に避難所運営をするため、かなり工夫をこらした校舎になっています。
地域の防災拠点である宮内中学校に通う生徒であることを誇りに感じ、ぜひ地域の一員として、災害時にも役割を果たせる中学生になってほしいと思います。

この記事を書いた人

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公益社団法人 中越防災安全推進機構

公益社団法人 中越防災安全推進機構は、中越地震に関する記録や研究活動を推進・支援するとともに、研究成果を安心・安全な地域づくりや防災安全産業の振興に役立てようと日々活動をしています。学校や地域での継続した防災教育のサポートを行っておりますので、防災教育にお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください!

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